20代前半に上司に言われた、
「自分が苦手と思う相手と仕事を組みなさい」という言葉は、私にとって衝撃でした。
当時は、関わる仕事のメンバーは当然年上ばかりで、中でも表現する先輩たちと組むときは、
特に緊張していたもの。理由はただ一つ。自分自身のボキャブラリー、アイデア、企画力の少なさ。自分が伝えたいことは、頭の中にあるのに、それを上手に言葉に表現できない悔しさ、誰も分かってくれない、悶々とする気持ち。でも20代は、この悶々とする熱いエネルギーが合ってこそ。
答えが一つの数字より、何百、何千通りの答えのある世界で働き出して、早20年余。コミュニケーションの表現する形がデジタル化する中、アナログ媒体を作ることに。便利になった一方で情報過多になり、ソーシャルネットワーク上だけの繋がりではなく、人と文化、街、自然、旅先で出会う景色が持つ力をデザインの力で、「人と人」を結んでいく。過度に情報を誇張させることなく、作り手と使い手の間に気持ちのズレがないように発信していく「Have a NICE FUKUOKA」。
このデザインを手がけてくれているのが「あおいろデザイン」。最初に彼から送られてきたポートフォーリオを見た時、一つ一つに愛情が詰まったことが伝わり、実際に会うと、物腰柔らかさ、目の強さ、言葉を大切にする話し方、一つのデザインに真剣に向き合う姿勢を感じさせてくれた。時間もなく、かなり無理のあるスケジュールだったが、難しい、時間がない、と言わず、面白いですね~、素敵なデザインにしましょう!そう言ってくれた彼の言葉は、今でも心の支えになっている。そこから一緒にチームを組んで約3年。不思議なことに、電話で話したのは3回程度。スピード感のある仕事の一つのやり方で、ほとんどがテキストコミュニケーションで進めている。テキストコミュニケーションは、これからの時代は標準になるかも知れない。
プロフェッショナルであればあるほど、細かいことにこだわり、他人任せではなく、自分の想いでつくる。こだわりのない仕事は、プロとは言えないのかも知れない。
20代前半に上司が私に伝えたかったことは、「不得意なものを克服するからプロになれる」
あえて、不得意なところを通らないと先はない、だから自分の不得意なものと付き合うことで
得意なものを克服するからプロになれる。言葉の本質は、きっとこういうことだったと思う。
1ミリのこだわりを持つということは、人一倍努力している人。
あおいろデザイン
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